やっぱダメだった・・・。色んな人に 「ど~? 高山病 なった?」と訊きまくった。 だって マチュピチュの近くの街・・・Cuscoは 世界一標高の高い都市として有名。 3700mもある・・。 富士山のてっぺんにいるのと同じ・・。
2500mの都市に行くのでも高山病がでる事があるので注意! とかネットに書いてある・・。
んじゃ~ 3700mってどうなんよ~~?! と心配になってくる・・。 返って来るのは 「僕は全然大丈夫だったよ」「私もちょっとお腹の調子が悪くなったけど ま~ま~ それだけで大丈夫だった・・」
で マチュピチュに行った人のネットサイトの経験談をみると まるで 誰も高山病なんかになる人なんかいない! って思ってしまう・・。
しかし・・ 高山病の事をネットで調べると・・・なんと! 恐ろしい事がガンガン書いてあることか・・! 頭痛、吐き気、お腹にガスが溜まるとか・・ ま~気圧が低くなると 密閉されていた袋の空気が膨れてくるから 腹もガスっぽくなるのかも・・?
酸素ボンぺが必要だとか・・コカ茶を飲んだ方がいいとか・・ 高山病予防の薬を飲んだようがいいとか・・。 ま~ 色んな事が書いてある・・。
登山していて そんな症状がでたら すぐ下山すること! とかも書いてある・・治療方法は書いてない・・とりあえず 高度を下げるのが一番 とか書いてある。
ひどい時には死に至るとかも書いてある・・。 う~~・・体に自信のない私は ビビりまくり・・。
夫は絶対的自信を持っている。 自分は大丈夫! しかし 私がしんどい思いをするんなら 別にマチュピチュにいかなくてもいいよ・・・と言う。
ん~~・・ 私のせいで マチュピチュを見られなかったって言われそうだし・・。あたしだって 標高の高い所で生まれ育ったので・・もしかしたら 体が弱くても普通の人より 標高の高い所はけっこう行けるかも・・? とも思った・・。
後でしらべたら 私が生まれ育った所の標高は 1500mから1700mだから 全然たいした標高でもなかったのだが・・。
さて! 標高3700mのCuscoに行く事に決定! 少しづつ標高を高くして行って・・体を慣らして行くのがいいよ・・ と言う人がいたが・・。 高山病は決して慣れる物でもないとも ネットに書いてある・・。
トレーニングして鍛える物でもない・・と言うのもネットに書いてある・・これはも~体質だけで差がでるのだそうな・・。 合う体質か? 合わない体質か? それだけらしい・・。
と言うことで こうなったら飛行機で一気に行って確かめるしかないのだ・・。
いよいよ到着・・そして 飛行機から降りると・・ターミナルに向かって歩くだけで・・体がなんか ホワン ホワンする・・。 その内グアン・・グアンして来る。 ゆっくり動こう!ゆっくりと・・と自分に言い聞かせる。
体が反応して症状が出て来るのは個人差もあるが・・6時間から12時間の間にでるとネットには書いてある・・。
が・・もう 飛行機から降り立ったトタン・・全然違うのだ・・。 夫も なんか 酔っぱらったような感じがする・・と 言う・・。
自信たっぷりだった夫ですらこの なんとも言えない 酔っぱらった感じを感じている訳だから・・やっぱ ダメだろうか・・?
タクシーに乗って宿に着く。 そして その辺を散策するのに・・外にでる。 回りの観光客は全員 楽しそうに普通に歩いている・・。 見る光景は全く普通の観光地。 そこにいる人達もみんな レストランで楽しんで・・ 散歩を楽しんで・・と言った具合。
も~! 空は真っ青 キッパリとした空気。 澄みに澄みまくっている空気が・・あるのに・・苦しい・・。
なのに・・私は 胸の鼓動がガンガン高くなり・・ ちょっと歩くと息切れがし・・ 脈拍を測ったら・・100を越えている・・。
いかん・・いかん・・。 ま~普通でも脈拍は早い方だけど・・ 一時は110ぐらいあって・・慌てた・・。
じぃ~~っと木陰で座って・・ 脈が100ぐらいになるのを待った。
ビックリしたのが・・自信たっぷりの夫も 顔をしかめて・・は~は~息が上がっている。 私が休んでいる間も苦しそうにしている。
夫の脈拍は私より大分少なかったし・・いつもと同じぐらいだったので・・少しは私よりマシだったかも・・?
後で聞いた話だが・・ 夫は 苦しそうに歩いている 30代ぐらいの女の人を見たらしい・・。
私はやはり・・自分の苦しいので他の人を見る余裕もなかったのかも・・?
私は呼吸がしんどくなると まるで喘息の発作のようになる。 私は喘息持ちなので・・あの息苦しさは かなりの恐怖なのだ・・・。
喘息の吸入をいくらしても息がまだ苦しいと言うことは もう 救急病院でネビュライザーと言う吸入が必要になる・・ひどい喘息発作だと点滴も必要になって来る。
どんなに持ち合わせの自分の吸入をしても 喘息の発作のような息苦しさは治まらないって事は も~~恐怖その物だ・・。
宿に戻って・・横になっていても あまり良くはならない。 歩くよりは 立っているよりは 横になっている方がマシかな・・ぐらいの勢いだ・・。
6時間ぐらい経過・・寝ていても 心臓が痛い・・・肺も痛みが出て来た。 吐き気も頭痛もしている。
高山病に効く薬ってのも飲んでいた・・。しかし飲んでから30分で効果が現れるって言うのを Cuscoに着いてすぐ飲んだが・・全然効き目はなかった・・。
もし その薬を飲んでいなかったら もっと悪くなっていたのか・・? とりあえず どう頑張っても こんな調子で これから バスに乗り・・列車に乗り・・で・また バスに乗り・・5時間ぐらいかけて マチュピチュに行けるか・・? 行けない・・。
行ったにしても 絶対に楽しめない・・。 これはもう標高を下げるしかない・・。 と言う結論を出した!
ネットでCuscoからChiliのSantiago行きのフライト切符をゲットした。 結局Cuscoには24時間も居なかった事になる・・。
もしかして・・この標高に慣れたかもしれないが・・慣れるまでの苦労をしてまで マチュピチュに行かなければいけないとは 思わなかった・・。
一応 未知の世界、 つまり3700mの所に身をおいてみた・・と言う経験をしただけでも十分だな~~・・ と思った。
石畳がきれいだ・・ 相当昔から石畳だった街なのだろう・・。 車イス用スロープもかわいい・・。 この写真は 次の日 最後の数時間の間にちょっと散歩した時に撮った。
今もなお昔ながらの石畳を保べく・・こうやって石が用意されていて・・色んな石畳が修復されていた・・。
Cuscoは完全観光地と化していた・・。 ちょっと街から離れるとインディオの村とか見れたのかもしれないが・・。 とりあえず欧米人が闊歩していた・・。
その中で目だったのが・・このおばあさん・・。背が低い・・まるで日本の田舎のおばあさんみたい・・。 インディオ人は平均身長が男性で157cmと 私の背ぐらいしかなかったとか・・。女性はもっと小さいとか・・。
今は色んな血が混ざっていて・・大分様子も変わってきたそうだが・・。 このおばあさん・・もしかして純血なのかな・・?
何気に入った店の中に赤ちゃんを寝かせる籠があった・・。 いつもはここに店番をしている女の人の赤ちゃんを寝かせているんだそうな・・。
観光客相手のアルパカの毛製品店。 あまりの美しい色合いに魅せられて・・・中に入る。 これはアルパカではなく ビクナと言う動物でアルパカよりずっと柔らかい毛がとれるらしい・・。
手前にあるのが・・そのビクナの毛で作られた製品。 触ったら・・なるほど・・すんごく柔らかく 滑らかな手触りだった・・が・・お値段は目玉が飛び出る程だった・・。
これはアルパカの毛。 全部染めたのではないそうな・・ 自然の元の毛の色だそうな・・。 やっぱ 自然が織り成す色はうつくし~~な~~! と感動した。
これらの色を鮮やかに編み込んだセーターとか 沢山の製品があった・・。 どれも 私が買えるような値段ではなかった・・。
でも 店を出るまえに 薄いスカーフを一枚・・標高3700mのCuscoの思い出に買った・・。
Coca専門のお店に入って・・色んなCoca飴を買った。 Coca茶用の葉っぱも買った。 Cocaチョコも買った。 味はどれもいい味だった。 お土産用だけど・・旅じゅう持って歩くのもなんなので・・ 自分で全部食ってしまった・・。
送れよ・・って話だけど・・・w
この写真をみると心臓が痛くなる・・。 この景色のちょっと手前まで石段だったのだ・・。 Cuscoに着いたばかりで 全然イケルと思って歩き回ったのだ・・。
全然いけなかったのだけど・・・。 この辺りで心臓が破裂するかと思う程 心臓がバックンバックンいっていた・・・。
次の朝 涙を飲んでの搭乗・・・・機内入り口のフライトアテンダントの人達がすごくフレンドリー・・・コックピット室のドアを開けて見せてくれた。
写真撮っていい? と訊いたら・・ど~ぞ ど~ぞと言ってくれた・・。
あ~・・このパイロットさんが 我らの命を預かって 次の目的地まで送り届けてくれるんだな~~・・ と思った・・。
Aviancaの毛布を盗んだから・・おべんちゃらを言う訳ではないが・・ Aviancaのパイロットはすごい! と思う・・。
着陸の際・・相当スム~ズなランディングをする・・。 いつもどこで滑走路にタッチするか・・? と言うのを慎重に感じるクセのある私・・。
Aviancaは慎重に気をつけてないとわからない程スムーズなのだ・・。
ひどいパイロットなんか どっす~ん!!と尻餅をついたように落ちる事だってある。 ドンドンと何回かタッチしてからの着陸だってある・・。 ま~それは 本当に希だが・・。
Aviancaのticketをゲットしたら なんか安心するのだ・・。
飛行機の窓から外をみたら・・空はあくまでも青く・・雲も美しかった・・。 もうちょっと長く居たかったな~~・・。 でも諦めも肝心だし・・。
美しいCuscoの街から インカ帝国の歴史を垣間見る遺跡も見たかったけど・・。
標高500mのサンティアゴに着いたら・・嘘のように全ての症状が抜けていた・・。 しかし腹のガスが完全に出きるのには一日はかかったかも・・?
一番嬉しかったのは ビックリするほど頭が冴えて・・思考能力が戻った事だ・・。 も~~考える事はもちろん! 感じる事すら完全に停止する・・。 高山病って恐ろしいもんだ~~・・!
日本人の若者で・・Cuscoから帰って来たばったりの人に 出会った・・。 「どうだった? 高山病でた?」 と訊いたら・・・
「も~~! ほとんど動けなかった・・ちょっと外に出て散歩するだけで 息苦しく・・お腹の調子がかなり悪くなってあまり食べられず・・。 横になっている時間がほとんどだった・・。」 と・・言う。
お~! 初めて・・そんな事を言う人に会った。高山病になる人って 私だけじゃ~ないのか~・・。
最初から高山病が怖いから行くのはよそうと言うことで行ってなかったら・・一生行かなかった事を悔いただろう。
行って自分はダメだったと言うのが解って・・諦めもついたってので 私にはなにも悔いはない。
次の見知らぬ土地に胸をふくらまそ~~☆