2018年3月30日金曜日

93歳のステキな女性

彼女には タンゴダンスの世界に入ってすぐ出会った。 と言っても言葉を交わしたのは かなり後の事だった。

いつも かなりのお歳よりだけど・・・踊れるのだろうか・・・? と懸念する私の気持ちに反して・・軽くステップを踏んでいる。

そして こんなおばあちゃんと踊る男がいるのだろうか・・・? と言う懸念にも反して・・彼女は ジッと座っている暇が無いくらいの人気者なのだ・・。

何回か 言葉を交わして・・そして ある夜のパーティーで 私の隣に座ってくれた・・。

そして さっそく彼女には お声がかかり踊る・・やっと戻ってきたので・・突っ込んだ質問を私はした・・。 目いっぱいの質問があるが・・音楽が大きいので・・彼女の耳に私は怒鳴る様に聞く・・。

でも 彼女はシッカリした声で 答えてくれた・・。



彼女が15歳の頃 ダンスを始める・・。 彼女は今 93歳なので・・・もう 78年間も踊り続けている訳だ・・。

「でもね~~ 戦争の時は 男の人が まるっきりいなくなって・・全然踊れなかったわ~~」と 笑っていた・・。

まだまだ 私の彼女に対する好奇心は フツフツと湧いてくるけど・・・彼女は次から次へと 男性が寄ってきて踊るのだ・・。

私は まだ ビギナーだからか・・? 踊りに誘う男は皆無・・。 ずっと 壁の花・・。彼女が羨ましくて仕方が無い・・。

そして・・彼女は タンゴレッスンのクラスに毎週現れる。 いつも 私が溜息が出る程ステキな服を着ている。

豪華な服と言うのではない・・とてもカジュアルだけど・・とてもシークで彼女にピッタリ似合っているのだ。

それでも イタリアのブティークにでも有るような高価な物の感じもする。 

そして その夜にきていたのは 私好みの色とデザインなのだ・・。 こんなデザインの服はどこで買ったのだろう・・?! と 私の好奇心は失礼の突破口をはみ出て・・質問をしてしまった。

すると! 彼女は 自分で作ったという。 裏と表の布の違いを使ってデザインしたの・・と 裾をひっくり返して見せてくれた・・。

ニクイデザインで 私は ん`~~!と唸ってしまった・・。 

豪邸で館と呼んでもいいくらいの金持ちの家でのパーティーで彼女を見かけた時は 彼女だけが 水着持参で その家のバカでかい屋内温水プールで 一人気持ち良く泳いでいた・・。

英語の発音がチョット ニュージーランド人とは違うので・・どこからですか? と訊くと オーストリア人だった。

なぜ 今 ニュージーランドに住んでいるんですか? と訊くと・・それはね・・と うふふふ・・と笑った・・。

そして 彼女は オーストリアで ニュージーランド人の男性と出会って・・彼と結婚する事になって・・でも その時代は そう簡単にビザが降りなくて・・。

そのフィアンセは先にニュージーランドに帰って・・彼女のビザが降りてニュージーランドに行けたのは 1年後だったのだそうな・・。

そして・・その1年後にニュージーランドにやって来て 彼に会ったら・・彼は別の人と結婚していたの・・うふふふふ・・と 又 笑った・・。

その後 どうなったの・・? と 私は喉から手が出る程 知りたかったけど・・・またもや 彼女は男性のお誘いが来て・・立ち上がって 踊り始めた・・。

2018年3月10日土曜日

問題児に魅かれる

つらつら考える・・・。

なぜに 私は価値観も違い・・コミュニケーションもできない・・個人プレイしか何もできない 夫と結婚したのだろうか・・?

出来ないはずだ・・・彼はアスペルガーであるのだから。 そして それも気が付かず20年近くも一緒にいる・・・そしてそれを最近発見したのだ・・。

そして まだまだ つらつら考えると・・パートナーダンスで 一緒に踊って 楽しい・・ワクワクする! と言う人は 全員”問題児” なのだ・・。

今まで そんな事思った事はなかった・・。 でも最近それに気づいたのだ・・。 

もう25年ぐらい ダンスをしている・・色々なダンスであるが・・全部パートナーダンス。 社交ダンスから始まり・・モダンジャイブ・・ラテン・・ロックンロール・・そしてタンゴ。

タンゴは最近身を入れ始めたから ダンスパートナーと言える人はいない・・。

だけど・・長年やっている 他のダンスで 気が合うと言えば・・ダンス界から抹消されるぐらいの”問題児” と私は気が合うのだ・・。そして そういう”問題児”とのダンスが 私をワクワクさせるのだ・・。

アル中、麻薬中毒、喧嘩っ早い と言うやからばかりだから・・ま~ 結果 ダンスの先生から 追放を言い渡される。

最近 私のお気に入りの人も ダンス界と 首の皮一つで繋がっている様だ・・。いつも 先生の言う事は聞かずにデカイ声で毒づいている・・・。

でも 彼とのダンスは 私をワクワクさせ 体じゅうで全神経と体力と感情を込めて踊れる。

他の人 つまり普通の人とのダンスは どちらかというと・・嫌悪感を感じる事ば多い・・。 なぜか? 解らない・・・。 自分でも不思議で仕方が無い・・。

他のもう一人のワクワクダンサーは すでに追放されている・・。 彼は何かとんでも無い事をクラスで もしくはダンスパーティーでしでかしたとか・・犯罪に近い事を・・。 噂でそれを聞いた。

彼に追放を言い渡した先生は 彼といつも踊っていた私がクラスに行くといい顔はしない・・。 
そして 私はそのクラスでは時々白い目で見られる存在にもなってしまっているようだ・・。 先生は私と目も合わせなくなった・・。以前は 笑顔でいつも私の名を呼んで挨拶していたのに・・。

彼は唯一 私と踊る事を楽しみにしていて・・私も彼が誘ってくれるから そのダンスのクラスにもパーティーにもいそいそと出かけて行ってたのだ・・。

もう一人他に ワクワクする若造がいる・・。

彼はモダンジャイブで20年近くも知っているが・・彼は主にラテンで活躍している・・。 

が・・モダンジャイブの中では みんなに嫌われている・・。 一人よがりのダンスをして・・・ダンス自体も暴力的だという噂だ・・。

ある新参者女性が 私を彼女よりも後輩とみて・・パーティーの時に私の耳にささやいた・・
「彼はとんでもないヒドイダンスを強いるし・・嫌われ者・・絶対に避けた方がいいわよ!」と・・・。

彼は 10歳の時に DVの父親から暴力された彼の妹が 彼の腕の中で死んだ・・と言う話を彼自身が私にしてくれた。 彼の父親は 以来 ずっと刑務所らしい。

5年ぐらい前には 彼は 不動産屋のセールスのやり手の年増の女と くっつき 豪華無料アメリカ旅行とかをして ジゴロの生活をしていた。

先日 彼の生活を訊くと・・・その年増の女は昔の事さ! 今は自分で 世界の億単位の不動産を転がして 儲けているのだ! と うそぶいていた・・。 どこまでが ほんとうなのか・・? 

ま~ そんなのはどうでもいい。 何年ぶりに会おうと 彼は私に大きなハグを してくれて・・友情を温めていてくれる。

もう一つ彼は 忘れられない事を私にしてくれている・・。

私が夫と 役所での結婚式(5分で終わる 登録結婚式)のある日 ヒョイと表れて・・私がこれから結婚式なんだ! と言うと 速攻消えたかと思ったら 彼の姿が見えないくらいの大きな花束を抱えて 戻ってきて 私達の5分間の結婚式に参加してくれた。

彼の心は熱い!のだ・・。

もう一人の男・・・昔のダンスの先生で・・中東戦争で飛行機の整備をしていた男。 その時に酒浸りになり・・アル中のレッテルを貼られた。 が・・帰国してからは 一滴も飲んではいない・・。

彼は ダンスパーティーには参加するが いつもソフトドリンクを持参する。

そして 週末の休み・・つまりパーティーの多い週末には ほとんど刑務所にいったり AA(アル中の人がアル中から抜ける手助けをする世界的に有名な団体)に行ったりして
麻薬中毒や アル中の人達の手助けをしている。(ボランティア)

彼と会うと・・いつも ハグのついでに 私は彼の体に飛びついてしまう・・・すると彼は 私の体を抱き上げ くるくると回るのだ・・。

そんなこんなの問題児。 一癖も 二癖もある人って・・なぜ魅力的なのだろう・・?

考えてみれば・・普通でない人 つまり 天才的な人って やはり 多かれ少なかれ 問題児なのかもしれない・・。

マイケルジャクソンも・・・たけしも・・そんな感じだし・・レベルは全然違うけど・・共通する物が何かあるような気がする・・・・。

マッサージ堪能


2018年3月8日木曜日

老人だって言ってる場合ではないのだ・・!

老後生活に入り・・突然 自分が 自分の生活環境を作って来なかった事に愕然とする・・。

つまり 普通の人は普通に生活していて 自分なりの生活環境が自然にできている・・でも自分の場合は特殊で・・違っていたのだ。

私の場合は 宿経営で・・それも長期滞在用宿なので・・一年とか滞在する人も結構いたので・・そんな人達との付き合いが私の生活だった。

と言う事は 長期滞在の人達と一緒に過ごす・・自宅にさえ 住み着いた人も沢山いた。 そんな人達と わっさかして・・30年弱・・と言うのが私の生活。

仕事を退いてみると・・自分の回りには誰もいなくなった・・。

私の生活の中にいた人達はみんな 海外からの一時的な滞在者であって・・クライストチャーチに住んでいる人達ではなかったからだ・・。

じゃ~ 私には クライストチャーチに住んでいた友達は一人もいなかったのか・・? そんな事はない・・何人かはいたのだ・・が・・私世代の友人はみんな本国に戻って行ってしまった。

我等世代の人達は海外に住んでも やがては自分の国に戻って行くのだ・・。 私のように 移住地に骨を埋めようと言う人はあまりいない・・。

と 言うことで はた! と気づくと・・回りには誰もいない・・・私は 今になって・・こんな年になって・・一緒に過ごす 仲間とか 友達とかが一人もいない事に気づいたのだ・・。

若い時の用に アクティブに社会生活をしている訳でもない・・歳を取ってくると・・生活範囲なんて 限られている・・。だから出会いなんて 自然にあるものでもない・・。

昔から”孤独老人”とはよく言った物で・・老人には孤独が付き物らしい・・。

でも そんな事は言ってられない・・。 じゃ~ 老人が集まるカードゲームとか ゲートボール的な所に顔をだすのか・・? それも 自分にしては 早すぎる様な気がする。

行っても 楽しむと言うより老人介護的になってしまうようで・・それが自分の生活を潤すとは思えない・・。

と言うことで・・まだまだ 夢を追う私は・・ダンスをすることに決定! だが・・色んなダンスクラスに顔を出して・・結局自分はハミゴになってしまうことを経験・・。 つまり長続きしない・・。 ダンス友達が出来ないのだ・・。

自分は 土地の人達の中に入っていける能力が全然ないのに気づく・・。 パーティー嫌いだし・・人との会話を楽しむって事も苦手・・・本当に数人の友人(クライストチャーチ在住ではない)としか 会話を楽しむことはない。

ダンスは 社交的な要素がとても多く・・パーティーだの会話だのお酒だのが絡んでくる。 

自分は喘息になるのでアルコールはダメ・・会話は一切楽しめない・・となると・・人との絡みが全然こなせないのだ・・。

だからと言って・・じゃ~ 寂しく個人プレーだけで 死ぬまで行くのか・・? と自問自答すると・・やはり 人とワイワイしてする事に憧れる。

一人では寂しすぎるのだ!

数年前に私の家に住んで 私の宿を手伝ってくれた子が 又 訪ねて来てくれた。 彼女の今年の目標は・・
”一人で酒を飲める店に行って 「いつもの!」 と言えば自然にいつもの飲み物が出てくる馴染みの店を作りたい” と言う・・。

ん~~ それは ムズい!課題だ・・。 まず一人で入ると 常連さん達に睨まれる・・よって ハードルは相当高い・・。

そのハードルを越え・・何回も通いつめ・・その店の人と友達関係と言われる程の間柄にならないと 居心地よく 何時間も居れる場所にはならない・・。

これは根気と勇気が必要なのだ・・。

それだ!! と私は思った・・。 社交的な事を要求されるダンス社会には 私にとってはハードルが高いのは始めから解っているから・・そこを越す為に まずは 諦めずに頑張る事が必要。

そして 通い詰めるのだ! と 思った・・。

と 言うことで・・私は ダンスクラスだけに行くのではなく・・そのクラスの先生から個人レッスンを受ける事にした。

と言うことは クラスでハミゴになることはまずない・・。 先生が着いているから 個人レッスンを受けている私を無視する事はまずない・・。

これは大成功だった・・。

そして 通い詰める・・・。 と言うのを今継続している。 まだまだ レベルは初級なので・・大きな顔はできないし・・中級・上級クラスの人達には鼻も引っかけられない。

だけど・・そこはそれ・・’継続の力” っつ~奴に撤して・・そのうち・・ガッチリとスクラムを組んで・・よそ者なんて いれないぞ!! と言う 中級・上級クラスの連中が 私に振り向くように頑張るのだ・・。

個人レッスンをしてくれる先生も言っている・・
「今が我慢どころ・・力をつければ 絶対にみんな見てる・・・その内 ハミゴにはならないよ!」 と・・。

先日クラスで会った男はとても興味深い・・・彼はまだ始めたばかりで・・みんなに無視される事にちょっとイラついている・・。 で・・ハミゴである私と話が弾んだ。

彼は仕事で 世界中に住んだ事がある・・それもインド・中国・韓国・・と 私等がやっているタンゴの世界とはちょっと違っている感じだ・・。

つまり クライストチャーチのタンゴ社会は ”お高く止まった連中” って感がすごく強い。 そして その社交界とも言える世界に入る込める事は まず不可能の様な雰囲気がある・・。

と・・彼は言っていた・・同感! ”私もあんたと同様ハミゴ組さ!” と意気投合した。 で・・彼は自分が長年やっている サルサダンスのパーティーに来い! と私を誘った・・。

「サルサは もぉ~~! なんでもあり! ステップ知らなくてもOK! 取り敢えずワイワイ騒いで 自分で楽しめばいいのさ! 僕の友達をいっぱい紹介するから! わっはっは!」 と彼は言う。

うふふ・・それだよ~! こういう出会いってのがあるから・・外に出るだけでも大切な事なのだ・・。 取り敢えずなんでもいいから 出掛ける。 その内 色んなチャンスにぶち当たるのだ・・。

自分が老人だから仕方ない・・なんて言ってる場合ではないのだ・・。

早速 彼の誘いに乗って・・金曜日の夜は フィーバーするぜ!