座礁に乗り上げる

私の仕事も引退同然になって来たので・・自由になったハズだが・・その”自由”　ってなんなのだろうか・・？

なんでも　出来るのだから・・と思うが・・全然気力がない。　何もしたくない。　
回りの日常に疲れるから　誰とも会わないで・・誰とも会話をせず・・ひたすら”ひきこもり”を続ける。　そうなると　風呂も面倒だしどうでもいい。　

食うことも　その辺にあるもんで　空腹をごまかせばそれでいい。　着替えもせず・・もちろん掃除もせず・・ただただ・・ネットの中ですごす。

”ネトゲ廃人”　それも中高年の”ネトゲ廃人”が　最近増えているとの事。　もちろん無職・・高齢の年給暮らしの親に扶養されている。

ま～　私はネトゲはしてないが・・そして　親に扶養して貰っている訳ではないが・・ネットの中だけで生きているので　生活形態は　”ネトゲ廃人”とあまり変わりはない・・。
昨夜は久しぶりにシャワーをし・・化粧をし・・　昔行ってたダンスのクラスに行く。目一杯の笑顔を作り　目一杯の会話をし・・目一杯の人と踊った。　体十ダラダラに汗をかいて・・自分の寝ぐらに戻る。

空しい気持ちしか残らなかった・・二度とあんな事はしたくないな～・・と思う。　あんなに体はクタクタになって　夜の十一時まで躍り狂ったのに・・結局朝まで　イライラしながら眠れなかった。

どっかに蒸発して　旅館宿の掃除婦にでもなって　暮らして行けば　気楽かな・・？　とりあえず　しなければいけない事は　掃除だから・・何も考える必要はない。　とりあえず　やることはある。　そして　何も考えずとも・・　食い物にも　寝る場所にもありつける。
しかし　私に出来るのかな～？

それから　私は　人っこ一人いない田舎で　暮らしてみたいな～とずっと思っている。　畑があれば　植物を相手に　体も動かせるし・・何が生き甲斐を感じるのでは・・？　と思う。が・・全然そんな土地をゲットできずに　行き詰まっている・・・。

そぉ～～だぁ～～！　ひとっこ一人いない所は　ニュージーランドには　いくらでもある！　キャンプサイトって言う物がある。　早速ネットで調べて一番近い　DOCのキャンプサイトに行く。

夏のレジャーシーズンは終わり・・1・2台の　ハット歩きのトランパーの車があるだけで・・　広い森のような敷地には　誰もいない。　せっかくだからと　近場のトランピングコースを夕方から歩く・・・。

それでも　ひとっこ一人会わない。　野ネズミが一匹私の足元を横切った。そして　たくさんの鳥達がないている・・が　戻る時は　トランピングトラックは　こんもりとした木々に埋もれそうになっているので・・真っ暗になってしまった。

富士の樹海ってこんなんかな～～と思いながら焦って　キャンピンググラウンドまで戻った。　

キャンプサイトと言えども深い森の一部だから　街灯とかあるわけでもなく・・人がいるわけでもなく・・　ただの森なのだ・・。

私の寝ぐらの車にのると・・もう完全に真っ暗。　雨もポトポトと車の屋根を打つ・・強い風は　ゴウゴウと音を立てながら・・私の車を横揺れにする。

ふ～・・　ここで　私は何をしているのだろうか・・・？