ある日ホステルのオーナーの奥さん・・ と言っても 歳は22才。 彼女がお里に帰るけど・・ Noriko行く? って言う・・。
あたしは ”行く!行く!” と有頂天。
と言うのも 彼女は田舎から来て お父さんが山を持っててそこで働いているって言う話をずっと前してて・・ 私が 「行って見たい!」と言うのを覚えてくれてたようだ・・。
例の”チキンバス”で30分だと言う。
山のテッペン辺りで バス停もないのに・・ 突然我等はバスから降りる・・。
そこからの眺めは 盆地の中の村が一望に見渡せて・・なんか 本当に のんどりした雰囲気に包まれた。
彼女のお父さんが働いている所に辿り着く。
彼女「と~~ちゃ~~ん! お客さん連れてきたよ~~!」
とうちゃん「そっか~~ うんじゃ~ ちょっくら休憩いれて コーヒーでもいれっか~~?!」と返事をしつつ 山から降りて来る。
トコトコと父ちゃんの犬も一緒に休憩しに降りてくる・・。
緑が多くて 空気がきれいで・・深呼吸ばかりしているのだった・・。
バナナがそこらじゅうにある。 父ちゃんはそれらを収穫するでもなく・・ って事は その辺で熟してしまうのだ・・。
母ちゃんは 例の織物に余念がない・・。 美しい織物を丹念に織り上げて行く。 彼女の一生はただただ織物で始まって 織物で終わるのだろう・・。
娘の彼女は ”そんな一生は嫌だな~” と呟いていた・・。
兄嫁。 彼女もその家に嫁ぎ 姑さんと同じように織物に始まり織物に終わる一生になるのだろう・・。
彼女の旦那さんは車のメカニックであり・・鉄の溶接士でもある・・。 そして こんな物も沢山作っている。出荷もしているのかもしれないけど・・ 無造作に沢山彼の作品がその辺にあった・・。
村を歩くと村の中心部は洗濯場があった・・。 昔も今も女達の一番の社交場らしい・・。 日本の田舎にも こんな場所がよくある。 洗濯したり 野菜を洗ったりする場所って やっぱ 女達の社交場になるんだな~~・・・。
とうもろこしで作るトルティア。 色んな所で女達は毎日毎日大量のトルティアを作る。 宿のオーナー22才の彼女も ここで働いた事があるとの事。 まだまだ 15才の頃。
一日12時間労働で・・たったの130円の賃金はバカバカしてくて 絶対に2度とやりたくない・・。 と言っていた。 夏なんか死ぬほど暑く・・単純作業で・・。と・・。
多分彼女は ちょっとしたインテリで金持ちの そして10才も年上の男と結婚して 彼女の世界は広がったようだ。
英語をペラペラ話す彼女の旦那は 毎日彼女に英語を特訓している。 そしてツアーガイドになるべく 彼女を学校にも通わせている。
旦那自身はホステルを運営しつつ 自分では観光業者で働いている。 あと10年後もすると 二人で会社でもおっ立てて 実業家にでもなるかも知れない。
彼らの一人娘はたった5才だけど 私立の高い授業料の学校に通わせ 今からエリートコースにのせられている。
ビッシリと実のなったバナナの木が 実の重さに耐えきれず倒れてしまっているのを何本も見た。 もったいない・・。
立派なコーヒー豆が沢山なっている。 も~~ここら辺は どこでもかしこでも コーヒーが育てられているのだ・・。
コーヒーでもいれっか~~ と言ってた とうちゃんが やおら布から白いコーヒー豆を取り出して でっかい陶器の皿に入れる。
煉瓦を重ねた釜の間に薪を折って入れる。 なんなと火が付き・・ ドンドン豆は熱くなって来る。 こおばしい香りが ぐんぐんと漂ってくる・・・。
とうちゃんの顔は真剣そのものだ・・。
コーヒー豆がいりあがった。触ると熱!!
挽かれた粉は熱湯に入れられる。
この豆を挽く機械の頑丈な事! 豆を引き出すと ま~~ うつくし~粉が 上等の香りをぷんぷんさせつつ出て来るのだ・・。
ハンドルを回している夫は香りが漂えば漂うほど 興奮して来るようだ・・。
私はコーヒーは飲めないけど・・ 数杯のコーヒーを入れるのに 一時間程かかる間 十分にすばらしい~~香りを堪能させてもらった。 コーヒーが飲めなくとも これだけの過程を楽しめれば コーヒーを楽しめるのだ・・ と思った・・・。
何気にその辺に転がっているかぼちゃ・・。 そう言えば広大なカボチャ畑が 永遠にあったな~~。
バナナも数本食ったら 腹がクチクなった。 どうするんだろう・・。 父ちゃん一人では絶対食えね~~べさ~~!
山にあった 不思議な花・・?
お~~! これはビワではないか~~!
子供の頃に食って以来口にしていない・・。 60年ぐら前の話だ・・。 思わずちぎって食った。 ちょっと酸っぱかったが・・・60年前の味が 強烈に甦ってきた。
タイムマシンで戻ったような気分だった。
何となく 日本の田舎に どこにでもあるような小道ではないか・・。
父ちゃんの調理道具一式。これだけあれば なんでもできるぜ! と言ってるようだ。 実はこの塀の向こうは彼の寝床にもなっている。
彼はちゃんとした大きな家が 1kmぐらい離れた所にあるのだが・・ この山の中にある自分の城は 彼に取っては かけがえのない物なのだろう・・。
これだよ! 私の夢みているのは・・・! 自分の土地を手にいれ・・自分の城を作りたい・・。 これが私にとってはさいこ~~~!!の城なのだ。 無駄のない・・そして 最高に効率良くできている。
そして 完全に自分の世界に浸れる・・これ以上の贅沢はない! と私は言い切れる。
この虫 カブトムシぐらいの大きさなのだ・・。 何気に私の手に触れた物が動いた! と思ったら この虫だった。 デカ!
真ん中がこの土地の王。 そしてその娘。 二人ともおんなじ顔してね~~?
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