小さな田舎にたどり着き一日遊び呆けて・・その日のねぐらを慌てて探す。
簡単に見つかるホテル・モーテルのたぐいには泊まる気はしない・・。
ホテル・モーテルは体のいい独房と言ってもいい・・。 誰と出会う訳でもなく・・一人で部屋に入って寝るだけ・・。 世界中どこでも ホテル・モーテルの作りは同じ。
だけど バッパは違う。そのバッパを作った人のお客さんへの気の使い方が隅々まで出ていて・・その人柄もわかる気がする。
ということで・・昨夜泊まったバッパは ボロボロで色んな所が老化していて・・メンテナンスも何もできていない・・。
おまけに売りに出ている・・。 私のやっていたバッパと同じ・・コロナの影響で多分商売は全く回らなくなったのだろう・・。
しかし! 私はこのバッパが大好きだった。 まず Darwinで泊まっていた宿は小綺麗で高級で・・でもWiFiがどうにも繋がりにくい・・。
もう一つの宿は 完全システムが出来上がっていて・・WiFi使用制限が設定サれているし・・。
だが このボロボロバッパのWiFi 無制限! おまけにバリバリ!とつながる・・。 思わず自宅にいるみたいにネット漬けになりそうになった・・。
そして 女子ドミの私の部屋に居た台湾人の女の子、 ワーキングホリデービザでやって来て・・この宿に住み込んで一年。
朝7時には起きて仕事に出て行く・・。夜は11頃に戻って来て・・・風呂に入ってすぐ寝る・・。 職を3つはしごして毎日働いているらしい・・。
「なんでそんなに働くの?」と言うと 「お金貯めるの」と言う・・。
「貯めたお金で何をするの?」の問いに 「もっと勉強をして・・オーストラリアの永住権を取るの」と言う 24歳の女の子・・。
彼女は多分 やがては永住権を取るだろう・・と思った・・。 なぜかわからないけど・・一途。 昔の自分を見ているようだ・・。 目的に向かって行くには なりふり構わず突進・・と言う風になる・・。
彼女のベッドの周りは生活用品がびっしりと置いてあり・・一つ大きな段ボール箱があって・・その中にびっしりと安もんのインスタントラーメンが詰め込んである・・。 箱買いをしたのだろう・・。 食費をつめつめにして生活しているのだろう。
このバッパに長く住んでいる人達はみんな ”あの子は立派だ〜”と褒めていた・・。
そして 夫の男子ドミに居たアフリカ人の男の子は・・ってか彼はもう34歳だけど・・アフリカから来た 肌の真っ黒な人。
カンボジアで大学の先生をしていた・・カンボジアの国に惚れ込んで また戻るのだそうな・・。 大学で教えるにも もっとレベルアップしたいと言う事で オーストラリアに勉強に来ている・・。
勉強しつつ・・バイトもしつつ・・と彼もまた 働き者なのだ・・。彼は自分の国のアフリカの言葉の他に フランス語もまた 母国語となっているし・・フランスの植民地だったために・・。 そして英語も普通に話せるし・・。
ってか 勉強や教鞭も英語だし・・カンボジアにも3年住んでいたのでペラペラになったらしい・・。 つまり4カ国後ペラペラ。
ちょっと見は その辺にうろついている浮浪者にも見えるけど・・。 すごく優しく 素敵な そしてインテリお兄さんだった・・。
そのバッパを管理している爺さんは もう70歳をとうに越していて・・なまりのある英語でモゴモゴ話すので・・最初は何言ってるんだ〜!? と思っていたが・・慣れて来ると・・結構ウィットの効いた冗談も言うし・・頭も冴えに冴え渡っていて・・ やさしい・・。
無愛想なのかな・・? と思いきや色々気の使い方も行き届いているし・・。 そのバッパで半世紀以上働いているらしい・・。 私が日本人としると・・自分の知る限りの日本語をまくし立てていた・・。
長年 色んな国のバックパッカーと接していたのが見て取れる・・。
やっぱ バッパは色んな人の人間模様を垣間見る。
そして庭は広い! 庭と言うより 広大な敷地の中にはジャングルのように色んな木が建っている。 そして鶏が何羽も歩き回っている。 飼っているのか 野生的に生活しているのか・・どうもわからん・・と言う具合に自然感100%なのだ・・。
Kaffir Limeの大木も発見! そして私の大好きなレモングラスも ほんとに草だべ〜! と言う様にアチコチにボウボウと生えているのだ・・。しかし シッカリとレモングラスの香りの強い香草なのだ・・。
バッパの醍醐味が すべてそこにある 最高の宿だった・・。やっぱり 宿はバッパが最高だと思う・・。