2021年5月6日木曜日

ベッドバグ

 ベッドバグの事を今回の旅ではすっかり忘れてて・・しこたま噛まれてしまった・・。 痒くて・・痒くて・狂い死にしそうだ・・。

足だけでこんな感じ 腕にも手にも 指にも肩にも 太ももにも 噛まれてしまった。


自分で宿を30数年やっていて・・ベッドバグにはエキスパートになっている。 宿を初めてすぐに ベッドバグの存在を知る。


いわゆるベッドバグとは東南アジア地方から発生して 日本語では通称南京虫と呼ばれている。


だが 戦後 経済成長が世界に進み 多くの人達が手軽に海外旅行をするようになって・・それは南京虫ではなくベッドバグと言う名で 世界に猛威を奮った。


一番ひどかった時期は多分20年ぐらい前だろう・・。欧米諸国の人達はベッドバグとはなんぞや と言うのを全く知らなかった為 その生体はもちろん 対処法等もなったく持って無知だった・・。


急速にベッドバグの生体情報が広まり 対処法も広がって来た。 もちろん宿を営む私は ペストコントロール(害虫駆除専門家)とかなりみつな関係になり・・彼は私にプロ級駆除テクニックを伝授してくれた。


以後 私はそのへんのペストコントロールには負けない 技術を持っている。


私の宿はどんな高級ホテルにも負けない 徹底したベッドバグの駆除に成功していた。 その友人の駆除専門家がいつも言っていたのは どうしても宿の主は ベッドバグに自分が噛まれないから 駆除にはお金をかけない所が多い。


確かにお金がかかる。 ある有名なでかいバックパッカーの宿はあまりにもベッドバグの苦情が多いので やむなく専門家に駆除を頼んだ・・。


駆除見積もりが 数百万単位になって・・呆れたのは じゃ〜 駆除は不要と 宿主は言ったそうな・・。


その宿から 私の宿に移動して来る客は 敬遠するようにした・・。 大量にベッドバグを持ち込んで来てもらっても困るし・・。


ベッドバグと言うのは 海外旅行者が増えたと同時に世界に広がった・・。 つまり チェックインしたスーツケースやバックパックにくっついているベッドバグが他の人の荷物にくっついて行ってしまうので・・もう避けようの無い事なのだ・・。


よく 空港に サランラップのおばけの様にでかいのが 機械にセットされていて・・・その機械に自分の荷物を乗せると ぐるぐる回転しつつ サランラップが完全に荷物をカバーしてしまう・・と言うのがある。


あれは 他の人の荷物から色んな 菌とか ベッドバグの卵とか 害になるものから避ける為の物だ。あれは結構必要かも?


あと もう一つ厄介なのは ベッドバグが刺してから3日後に 異常に痒くなる。 つまり 最初の日と二日目には何も感じないのだ・・。


そして三日目になると 大体の人は痒みを感じる。 痒みには個人差がある。 あまりそういうのに免疫の無い人、アレルギー体質の人は強い痒みに悩まされて それは何週間も続く・・。


私の夫も同じく 同じ部屋に寝て 無数に噛まれていたが・・赤い小さな点だけで 痒くもなく・・何も感じていない。つまり ものすごく噛まれても全然感じない人もいる。


私の宿に来るのがベッドバグに噛まれて3日目だとすれば 私の宿で噛まれた訳では無い。 3日前に泊まった宿で噛まれた事になる。


一日目で反応する人も希にいるが・・そんな人はまず あまりいない・・。 アレルギー体質の私ですら 三日目に痒みは出るし・・。


そして 希に1週間ぐらい経ってから痒くなる人もいる・・。 って事で必ず・・と言う訳でも無いのだ・・。


でも 大体は三日目から痒くなるのが一般的と言っていいかもしれない。


あといくら ベッドバグフリーの宿にしたとて・・毎日人は入れ替わり 立ち代わりやってくる・・・つまり 常にベッドバグは持ち込まれるのだ・・。


と言う事は 定期的な徹底的消毒と言うのが必要になって来る。 それを怠ると すぐに ベッドバグは猛威を奮ってくる。


でも お客さんは そんな知識もないので・・私の宿で痒くなった イコール 私の宿にベッドバグがいる・・と 信じて疑わないし・・ 訴えてやる・・とか 金返せとか 頑張る客もいる。


客にベッドバグの生体とか言っても聞く耳を持たない・・本人は痒くて死にそうなんだから・・。 私の宿は只々 痒みを抑える薬、 他虫の毒を消す薬・・アンチヒスタミン系薬・・とま〜 数多くの薬を揃えている。


私の経験からクライストチャーチのどこの宿も ベッドバグ体制をキッチリとっている所は少ないと思う。 大きな有名どころの高級ホテルさえ なおざりにしている・・。とプロの駆除専門会社の人から聞いた。


印象では YHAだけは 世界にあるからか・・その体制はキッチリしているので・・3日前にYHAに泊まった客が 私の宿で痒くなった・・と報告すると・・ YHAでは その症状の出た人はどの部屋のどのベッドを使用したか? を調べて・・報告してくれてありがとう! と言ってくれる。


これは ベッドバグの生体をしりつつ 駆除の体制を取っている証拠だ・・。 だが他の宿には 報告する事はまずしない・・。


因縁付けられてると思われるのがオチだから・・。 しかし・・世界中できちんとした体制を取らないと・・ベッドバグは 永久に世界中の宿 いや一般家庭にも はびこってしまうだろう・・。


あるアメリカの大きな屋敷の様な家庭でベッドバグに悩まされ・・どんなにプロの害虫駆除の人が駆除しようとしてもできなかった・・。


あるベッドバグ専門家が 家のありとあらゆる隙間を防ぎ その家の中に熱風を一日中吹き込んだ・・。 それで やっと ベッドバグ騒ぎは収まった。


もし 収まらなかったら その家の持ち主は家全部を焼いてしまおうと思っていたくらいなのだ・・。


そうです! ベッドバグは 40度以上の熱に20分さらされると死にます。つまり ベッドバグに悩まされたら まず身の回りの物 得に衣類 寝具は 完全に服ドライヤーにかけるのが 先決です。


どんなに洗濯しても 天日に干しても完全に無駄! 乾燥機にかけるのが完璧な方法です。


どうしても服乾燥機がなければ 黒のビニールゴミ袋に服やシーツ類を入れて 陽がガンガン照りつける所に一日置く・・つまり 40度以上の温度になっているのを確かめれば それも効果あり。


それを知ってると知らないとでは ベッドバグに勝てるかどうかの大きな境目です。


我が宿では 先ず 服ドライヤーにすべて! をかけて 部屋のカーペット ベッドは解体して隅々まで スカーティング(カーペットと壁の境目に有るもの)も剥がして・・カーテンの縫い目とか・・


電気のスイッチカバーを剥がす・・・とかして 徹底的な消毒を行います。 もし ベッドバグがいるとしても それを発見するのはとても難しい。ベッドバグは暗くならないと姿は表さない。 つまり 真っ暗な場所にしかいないのだ。 つまり発見方法がかなり難しい。 多分 私の宿では 私しか発見できなかったと思う。


口でいくら発見方法を説明 私の宿のスタッフに伝授しようとしたが 不可能だった・・。


私の友人でもあるプロ害虫駆除会社の社長さん 彼は昔は一人でやってたけど・・今は大きな会社になって たくさんの従業員を使っている。


いつもは私自身でやってたが その時は時間がなくて業者に依頼した。


駆除プロの友人は社長さんなので 従業員をよこしたのだ。 社長さんでないと・・と私が言うと 彼はもう現場には出ない・・と言う・・。 


だが そのベッドで寝る人は必ずベッドバグに噛まれる。 何回も消毒した・・と従業員は言う。 が! ベッドバグの姿を見ないで消毒してなんになる! 


私が乗り込んで言って・・ベッドバグの巣を発見! もう その従業員のずさんな仕事に完全に切れた 私・・! 


その従業員の仕事の請求額は全額 ゼロにしてくれた・・。 当たり前だ・・! 


私はベッドバグに関しては そのへんのプロより 相当上を行くと 自負しているのだ・・。

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