その日は 年に一度の花火大会の夜。
人出は大変な物で・・ もう 花火見物の近くの道路となると・・満員電車の如く混み合ってくる・・。
そこにノロノロとではあるが・・車が入って来ている・・ できるだけ花火見学の近くまで車で乗り入れようと言うヤカラだ・・。
道路を歩いていた 若者が 突然 その車のバンパーを叩いて・・
「ばかやろ~~!」と 叫んだ・・。 つまり こんな 人ごみに車なんかで乗り入れるな~! と言っている。
すると やっと 車を道路脇に駐車したと思ったらその運転手もまた 血の気の多い若者・・彼が 私と元夫の目の前で その彼のバンパーを叩いて 罵った若者に飛び掛かったのだ・・。
そして うちのめし・・道路に倒れて抵抗もできないぐらいな勢い。 でもそれでも殺してしまうぐらいの勢いっで殴る蹴るの暴行を続けている・・。
突然 我夫はそれを・・止めようとしている・・。
回りには 満員電車の中の様な多くの人がいるのにも関わらず・・その様子を誰も止める人は居ない。
我元夫が 飛び掛かったのも 一瞬の事だったし・・。 運転手がドアから降りてきて バンパーを叩いて罵倒した男に飛び掛かったのも一瞬だった・・。
私は泣き叫びつつ・・元夫の体にぶら下がりつつ・・彼の行為を止めた。
運転手の若者男の行動にどうして 他の人達は止めないのか・・?
なぜに60近くにもなっている元夫が 止めに入らなければいけないのか・・?
バンパーを叩いて運転手を罵倒した若者、 切れた運転手、 運転手の人を殺してしまいそうな勢いを止めに入った元夫、 それを止めようと 元夫の体にぶら下がって止めようとしている私の 4つドモエの様が・・・ なぜか 今 思い出された・・・。
目の前で起こった事を無視することはできない性分の彼なのだ・・。
彼に出会うまでは 私のほとんどの人生は親と絶交の状態だった・・それを・・・
「Noriko お前の為にも その状態はよくない・・ 俺が一緒に着いて行ってあげるから日本の親に逢いに行こう! 会うだけでいいのだ・・」 と言ってくれた。 そして 実行してくれた。
彼の息子は十代前半から麻薬漬けの人生。 タイの国に住み・・麻薬の為に 莫大なお金を父親の彼から脅し取りの人生だった・・
しかし 元夫は 仕事を引退して・・ 彼が父親として真っ向から麻薬漬けの息子と向き合わなかった長年のツケを 取り戻すため・・・父親業に本腰を入れた。
それを知った 彼の息子は タイで大量の麻薬で自殺してしまった。自分の父親にかけた迷惑をこれ以上にしたくない・・と言う意味だったのかも・・? と私は思っている。
元夫は 息子と真っ向から向き合ってやるには Norikoが俺の傍に居ては危険だと・・と言っていた・・つまり それが 私と元夫の離婚のきっかけになた・・。
父親の相当の覚悟だったのが 息子にも通じたのだろう・・。
今は77歳になり・・膀胱癌で体が半分になってしまった元夫。 それでも彼の生き方はいつも 頑固なまでに 一本筋が通っている。
彼のその魂は今も脈々と続いている様に思う。
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