2015年8月13日木曜日

生きる


昨夜 日本のドラマで お花の家元の後継者争いの物語を観た。 家元の親にあたる老婆のセリフ・・。

“花”は 切ってはおしまい・・自然に生えている花が一番 どんな生け花もそれにはかなわない・・。”

私も まさに! そう思う・・。

私の母親は 生け花の先生として 数十年を費やした・・その膨大な組織の流派では いつも“ネズミ講システム”が見え隠れしている。 流派の組織が大きければ大きい程・・その分 ねずみ講システムは大きく 莫大な“金” 莫大な “力”をも持つ事になる。

生け花・・とは やはり “自然”を 切り花で表した所に美しさが出てくる・・。 よって 結局は 自然に生えている花には勝っこないと思う・・。

昔・・一人暮らしをして 家じゅう悪臭が漂い・・孤独な老人死へ まっしぐらに走っていた叔母の家に私は行った。 突然 むしょうにその叔母の事が気になって ニュージーランドから飛んだ。 

その時 掃除・洗濯・買い物・風呂沸かしと バタバタしていた私の目に入ったのが 庭にあった おびただしい数の植物達・・。

叔母と同じく ほとんどが もうすぐ枯れて死んでしまいそうな物ばかり・・。 早速 砂漠で水を失った人間のようになっていた植物達に 私は溺れる程 水をかけまくっていた・・。

突然 音もなく 私の傍に寄っていた 叔母が ポツリ・・と言った・・。
“あなたのお母さんは 切り花が好きだけど・・ 私はやっぱり 根のある花だけが好きなのよ~・・。”

思えば 私も叔母とまったく同じだな~・・と実感した。 いつも いつも 根のある植物の苗を植えたり・・ 種から育てて 大きくしたり・・。

そして・・一年で枯れて死ぬ植物は どうしても嫌なのだ・・根さえあれば 永久に生き続ける植物、 多年生のが好きだ。

元夫と出会った時に ほとんど枯れて死んでいるかも・・・ と思われるような・・ 手の平に乗る小さな鉢植えの室内植物を助けたくて・・面倒をみていたら・・ 両腕で抱える程の大きい鉢植えまで育てた事がある・・。

その植物は 彼と離婚した時 小さな赤ちゃんの芽を貰って・・今もそれは生きている。 あれから もう25年くらいにもなるだろうか・・?

切って愛でる・・・と言うのは その時 どんなに美しくも・・ 数日・・いや 数週間持ったとしても・・必ず 茶色くなり・・腐って・・死ぬのを 見る事になる・・。 破棄処分が必要だ。
それを 見るのも するのも嫌なのだ・・。

私の宿の庭に立っている大木は 何回も 危機があった・・。 突風の為に幹が半分に割れ目が入った事がある・・。 木のお医者さんと言う人に診て貰ったら・・切り倒した方がいい・・もう この木はその内枯れるし・・と言われた。

でも 愛着のあるその大木を切り倒すのは どうしても受け入れられず・・違う人に診て貰った・・。 

その人は その木を救う保障は出来ないが・・とりあえず 幹を太いワーヤーで締めて置けば もしかしたら助かるかも・・・ と言ってくれた。

早速それをお願いした。 彼は太いワーヤーを その大木の上まで 持ち上げ 大きなジャッキで締めあげた。 あれから もう10年は経っていると思う。

3階建ての我宿の屋根を優に超えるその大木は 今もなお 悠々と そして 美しく立っている・・。

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