2021年9月5日日曜日

隣の売春宿

この植物は 貰った時は ほんの10cmぐらいの大きさだった・・。
が! 先日気が付いたら もう1mぐらいの高さになっていた。 そして 真っ赤な実も たくさんつけている。

なぜ私はこの植物をゲットしたか?
隣の爺さんが 大きな裏庭を切り売りして 知らない人がその土地を買った。 その切り売りされた土地は 私の家の裏庭の塀から すっかり見えるのだ。

その土地が どうなるか・・? 興味津々でいたら・・そのうち 立派な大きな家が建った。
そして そこには誰が住むのかな・・? と興味津々になっていると・・いつの間にか そこは 売春宿になっていた。
見かけは ふつうの家なのに・・なぜにそこが 売春宿になったか? と解ったか?というと友人が 「そこって有名だよ!」という・・。

ま~ でも 私にとっては 騒音もないし・・どっちかというと静かすぎるぐらい静か・・だから 全然問題はなかった。

ある日の朝 サンサンと陽が照って とても暖かい午前中に 何やら若い女のペチャクチャのおしゃべりと 笑い転げる声が その隣の家の庭から聞こえてくる。

私はすごく興味があり・・ついつい 自分ちの塀をよじ登って 覗いてみる。
女の子達3・4人 全員タイ人っぽい・・。 多分彼女等が 売春をやらされているのだろう・・。

彼女等は私の存在に気が付き・・私がアジア人だというからだろう・・みんなニコニコして 話しかけてきた。
彼女等は 庭の端っこにちっこい畑を設けて・・そこにいろんな野菜を植えていた。 なんか ミニ自給自足的な生活をしているのだ・・。

そして 私に 「これあげる」と言って ちっこい植物の苗をくれた。 私が これ何? と訊いたが・・みんな ”知らない”という。
私が 「これ野菜?それとも花の苗?」と訊いても 「知らない」と言って 笑い転げるだけなのだ。

ま~ せっかくの ”生き物”だから という事で 私は それを貰って 自分の庭に植えた。

それから その植物の事はすっかり忘れていた。

そして その売春宿の持ち主、ニュージーランド人の女性は 市から売春宿中止命令を食らって・・それでも その女性は裁判までして 運営権利を放棄しなくて頑張ったらしい・・。
そのことはニュース等で 有名になった事件だ。
が 彼女は裁判で負けて・・売春宿は また ふつうの住宅に戻った。
と同時に タイ人の女の子達は いつの間にかいなくなっていた・・。

そして あのたった10cmの植物の苗が 今は 元気に育って・・真っ赤な実をたくさんつけている。
別に食べれる実でもなさそう・・。 本当にまるで雑草の様に育ち続けるのだ。
多分 私は彼女たちの思い出として その木がずっと我が家の庭で元気で育っててほしいと思う。
見る度に彼女等のミニ自給自足的畑の事や 彼女等の笑い声を思い出す事だろう・・。



 

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