始めて聞く言葉・・・ Treetech
今物色している土地に大きくそびえている木々が 大地震に耐えられるのか・・? 立っていたにしても ある日突然地響きを立てて倒れてきたりしないのか・・?
こう頻繁に大地震があれば・・その辺も気になる・・と弁護士に言ったら・・
「Treetechに調査してもらいなさい」 とのたまう・・・。
アポを取って その Treetechさんに 現地で会う・・。
優しい笑顔での握手はホッとさせる感じの人だった・・。
そして その土地に入って・・・辺りを見回すと 優しい顔が もっと優しくなって・・
「あなたはこの土地に入ってすぐ 何を感じた・・? 僕は すごくいい”気”をかんじるよ・・」
と かなりスピルチュアルだ・・。
そして 喜々として辺りにある木々の事を 堰を切った様にしゃべりだす・・。
まるで 一本 一本の 木々の生い立ち 性格等を ぜんぶ最初から見ていたかの様に・・それで この地の気候で どんな育ち方をして 今に至るか・・?等を私に説明する・・。
彼が子供の頃大きな木がおばあちゃんちにあって そこから落ちた事がある・・・以来 木はすごいな~と言う感動から・・木の事が大好きになったらしい・・。
2年前にイギリスからニュージーランドに移住している。 そして 40代半ば過ぎぐらいのこの人は 木と共に今までの人生を送って来ているのが見て取れる・・。
最近はオフィスワークが多いけど・・やはり実際に木々と接するのが一番好きなんだ! とまるで 子供の目の様に輝かせている・・。
そして 服はオフィスワークっぽいけど・・・靴は頑丈な山歩きのブーツで それで 子供の様に 木々の合間を飛び回って私に説明をする・・。
私はついて行くのに必死・・・。
そして 彼はその土地がまるで私の土地であるかの様に話すので・・・ 「まだ買った訳でもないし・・・どんなに欲しい土地でもゲットできるかわからないんだから・・」 と言うと・・・
「そっか~ でも 縁があればあなたの土地になるし・・縁がなければならないのだから・・」
と 言う・・・。
そう! すべては ”縁”なのだ・・だからシャカリキになる必要はないのだ・・。 水が上から下に流れる様に 自分の人生をも運命に身を任せればいいのだ・・ と彼に諭されたような気がした・・。
Noriko! 来て!見て見て! と興奮する彼の言葉で行ってみると・・ゆうに100年以上も育ったと思われる木の切り株があった・・。
勿体ない・・・100年以上も育った木を切り倒すなんて・・・と私が言うと・・いやいや・・多分 この木は寿命だったのだ・・大きくなった枝が落ちたりして 危険になった・・つまり あそこの防風林にぽっかり空いている場所がある・・そこから来る強い風に耐えられなくなった訳だから・・。
Norikoはこの土地に落ち着いたら・・あそこの防風林の空きを埋めるべく新しい木を植えた方がいいよ・・と 言う。
空をつんざくぐらい高くそびえているユーカリの木は美しい~!でも彼は 多分あと10年ももてばいいかも・・? と言う・・。
なぜに? と私は言う・・細く伸びたその木は多分長年は耐えられないから・・と彼が言う。
じゃ~ てっぺんを切って 横に太くしたら 丈夫になって 長く生きられるかも・・?と私が言うと・・・。
彼は 「それは違う!」と完全否定する。
木々は 中心となる幹があって・・それをちょん切ってしまう事イコール その木の生命体をちょん切ってしまう事になる。
もし 横から枝葉が出て来たとしても その木は すでに命の中心部を失った訳で ものすごい弱い木になってしまう・・。
そう 言われて・・なんかショックだった・・・人間も同じだな~ と思った。 その人 一人一人 命の生命体って言うのを持っていて・・それをちょん切る事は その人をダメにすることだし・・。
そして彼は こうも言った・・。
この自然全体は 命を持って そこの気候に合わせて 運命的に生きている・・。
人間の手ではどうしようもない 人間よりもとてつもなく大きな力で支配されているのだから・・。
と・・・。
これって かなり宗教的だ・・。
人間が自然に歯向かう事は 絶対に出来ない事だから・・。とも彼は言った。
彼との別れの握手は 最初に出会った時の握手よりも もっと ホンワカと優しかった・・。