2015年3月2日月曜日

ふと・・もう20数年前の事を思い出す・・。 我が家は下宿屋をやっていて 数人の若者が住んでいた・・そこへ 日本人のおばあさん・・たぶん70才は過 ぎていただろう・・・。

彼女は我が家に泊まりに来て・・色んな事を 我が家に住んでいる若者達に話をしていた・・。 彼女にはニュージーランド人の恋人がいるとのこと・・。 そして その恋人は Wellingtonで 役人をしていること・・。

彼女は真っ赤な口紅、ド派手なヒラヒラ服。 まるで人形気分なのでは・・? ってな服装なのだ・・。 しかし顔はしわくちゃ・・。 ん~~・・・。

彼女は相当の金持ちの出 らしい・・多くの土地・不動産を東京のど真ん中に持っているとか・・。 つまり 成金金持ちではなく 生まれた時から とんでもない金持ち。 つまり彼女には 普通の人が持っている ”悲観的な気持ち” ってのが全くないのだ・・。

も~生まれた時から のびのびとした気持ちだけで生きて来ている・・ってのが見て取れる・・。

で その彼女の恋人ってのが 我が家に数泊すべくやって来た・・。 驚いた事に彼は 舌ったらずで 透き通るような白い肌で・・20才をちょっと過ぎたぐらいの若者だった・・。 ん~~・・・。 これが Wellingtonで働いているお役人さん・・・か~・・。

でもって このシワクチャばあさんの恋人か~~・・。二人でラブラブなのだ・・。 ん~~・・・。 こんなの現実にあり得るのか~~・・? 

彼女が 彼の筆下ろしをしたとか・・。 そして 夜の手練手管を一つ一つ丁寧に教えているとか・・。 ん~~・・・。

”鏡”の話だ・・彼女が 我が家に来て言った言葉
「この家には鏡がないわね~~・・」
お~・・そういえば そうだが・・。 

私自身 鏡ってのはチッコイ たま~~に化粧なんぞするか~って思った時に覗くぐらいで・・サイズと言えばコンパクトサイズの鏡・・それも一つ・・。
女でありながら・・それが私の最大限の鏡なのだ・・。 貧乏臭く あくせくと生きて来た私にとって・・鏡とは なんか 贅沢な響きなのだ・・。

それから・・・10年以上も後に 私は 私一人の家を購入。 そのときに一番先に思ったのだ・・鏡なのだ・・。 
昔 アンティークの店で気に入って買っていた フレーム付きの鏡のホコリを取り・・そして 友人から譲って貰った これもアンティークでもあるような古い物に その鏡を大工さんに取り付けて貰った。

私の生まれて初めての鏡台。もう50才に手が届こうとしている時だ。 

そして 寝室には 高さ2m 幅1・5mのデッカイ鏡を壁に設置。 リビングはダンスフロアーにしたので 高さ2m 幅4mぐらいのこれまだ 壁全体を埋め尽くす程の鏡をいれた。
まるで 広いリビングが 二つあるような錯覚に陥る・・。

せっかく 鏡づくしの家に仕立てあげたのに・・またもや一緒に住んだ男から逃げるべくその家を出てしまった・・。 つまり 私には あまり鏡と言う物には縁のない人間なのだろうか・・?

シワクチャばあさんのその彼女は いつも歌舞伎役者のような濃い化粧をして フランス人形な服装をしているが・・彼女は鏡が必要な理由が解る・・・。

鏡を覗く・・イコール 自分を見つめる・・と言う行動を常にするのだ。 見た目だけではなく・・鏡を見ると・・自分の内部まで見えてくるような気がする・・。 つまり 自分を忘れて アクセクとしていても ふと 大きな鏡に自分が写ると・・我に返るような気がするのだ・・。

日常にアクセクばかりしていては いけないな~~・・特に人生の先が短くなって来たら・・ジックリと自分と向き合いながら・・・少しづつ 時間を大切に生きてゆかねば・・。
鏡はやはり 自分が流され・・自分を見失わない為にも・・大切な物なのだろう・・。

その歌舞伎役者化粧のシワクチャばあさんは だから若い恋人もゲットし・・いつも自分に何が一番大切かを知り・・そして それを得る力も持っているような気がした・・。

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