私がニュージーランドに来てすぐの頃 いまから 28年ぐらい前になるが・・現地の銀行に働き始める。
銀行の経験なんて何もなかったが・・とりあえず テラーのトレーニングをしている時・・常連で賑やかに冗談ばっかり言っていたおじさんが毎日やって来ていた。
彼はカフェを営んでいて その上がりを毎日入金に来ていたのだ。
ある日彼がコインが必要になったと言う事で両替に来た時私が応対した。
その後 すぐ また 彼が銀行にやって来たので・・・ 周りのベテランテラーおばさん達は・・・
「も〜〜何回今日は銀行にやって来るんだ〜〜!!」 と ざわついていた・・・。
彼は 「僕はただ Norikoの顔を見に来ただけなんだ・・なんせ 僕は彼女に惚れちまってね〜〜」 と言った。
そして 私のテラーのデスクに近づいて来て 「両手を出して・・」と彼が言う。
私は笑顔で 両手を差し出した・・ その私の手を彼は包む様に彼の両手で私の手を包んだ。
周りはもっとざわついて・・・「Norikoの手まで握るのか〜〜!」とまたまた 大騒ぎ・・彼は「いいじゃ〜ないか 手ぐらい握っても〜〜」 とわはっは〜〜と 笑っていた。
が! その時 私の手の中にコインの入った袋が手渡された・・そして彼は 私にすばやく・・「さっきの両替間違ってたから・・」と囁いたと思ったら・・
そそくさと また帰って行った・・。
彼は 周りのベテランおばさん達には気がつかない様に 私の間違って多く渡してしまった両替したコインを戻しに来てくれたのだ・・決して私の手を握りに来たわけではなかった・・。
こんな温かいはからいをしてくれた 彼の気持ちは 一生私の脳裏に刻まれて 薄れる事はない・・。
歳をとってしまった今・・時々 人生の反芻をする時・・いつも思い出す出来事だ・・。
おじさん ありがとう・・・!
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