2017年8月10日木曜日

喉から手が出そうなくらい欲しかった物件が 人の手に渡った・・。

今年の日本滞在は 不動産を見て歩く・・と言うのも大きな目的の一つだった・・。

まるで侍屋敷の様な門構えと 何百坪にも渡る敷地・・溜息が出そうなくらい真っ黒になった大きな梁。 百年以上も前に建てられたという古民家は 私の心を虜にした・・。

が・・じゃ~・・と言って すぐ契約しようとは思わなかった・・。 なぜか・・? 

最初に見た物件に飛びつく訳にはいかない・・なんせ自分の服を買うとか言う値段ではないし・・。 不動産は一生を左右する買い物であるし・・。

その後・・たくさんの物件を見たが・・その最初に見た古民家は私の心を掴んで離さなかった・・。

最後に意を決して・・日本を発つ前に その不動産屋に連絡。 本気なので・・建物専門家にその物件の安全性を調査依頼をして買う! と言う意気込みだった。

が・・すでに ”東京から一級建築士を入れて買う方向に行っている買い手が他にいる” と言われた。

そして今・・又 連絡してみたら その古民家は売れたとの事。 ちゃんとした古民家だったらしい・・。

大きな落胆ではあったが・・その家と私とは縁が無かったのだろう・・と言う事で・・諦めた。 諦めがついた・・。

もし! 私がクライストチャーチ大地震を経験していなかったら 絶対に悔しい!! といつまでも 執念深く悔やんだと思う・・。

私がクライストチャーチにやって来て・・宿をやる為に 相当の数の不動産を見て回る。 そして 最初から大きく出た訳ではない・・地道に 少しづつ・・少しづつ大きくなった宿だ・・。

クライストチャーチの銀座と言ってもいい一等地にも物件があって・・その頃私の手が届いた・・。

シャトーと言われる・・素敵なお城の様な古い物件も私には手が届いた・・。

膨大な数の部屋があり・・クライストチャーチ市でも名の知れた昔 市が所有していたという館の様な物件も購入チャンスがあった・・。

ではなぜに・・買わなかったのか・・・? 

理由は解らない・・ただ・・そのチャンスが訪れた時・・これを私が買っていいのか・・? と問うた時に・・いや・・いまではない、 今これは危険かも・・? とか 色んな事が脳裏をよぎった。

で・・いつも その後 それを買わなかった事を悔やんだ・・。 もし あれを買っておけば! あれだって もし買っておけば 今頃 ニュージーランドで一番のホステルになっていただろうに! と自分の根性の無さを 悔やんだ・・。

が・・2011年2月の大地震が来て・・それらの建物は全て崩壊した。 そして今もなお再建の見通しがついていない。 なぜかというと 市と国の 都市計画にそれらの物件の場所は勝手に個人がいじれなくなったのだ・・。 例えそれが個人の不動産であったとしても・・。

結果的には それらに手を付けなかった私を神様がすくってくれたのかも・・? と強く思う様になった。

前の夫が持っていた・・素晴らしい歴史的建物が街中心部にあり・・彼の引退時に彼は私に安く譲ってあげる・・と言った。

今回の古民家を見た時の様に胸が高鳴り・・欲しい! と思った・・。

しかし その時飼っていた自分の犬が コンクリートだらけの場所で生活させるのは嫌だ・・と涙を呑んで その物件を諦めた。

諦めたすぐ後に その建物は イギリス人の金持ちによって・・ 前夫が私にオファーしてくれた値段の倍の値段で競り落とされた・・。

しかし それもあの クライストチャーチ大地震で崩壊し・・ 大聖堂のすぐ傍でありながら・・そこにはまだ何も建っていない・・。

つまり 私が全財産をはたいて その物件を買っていたら・・今頃破産していた・・。私の犬が私の人生を救ってくれたのだ・・と思うようになった・・。

今回の古民家も 良い物件なのかもしれないが・・私の為の物ではないのだろう・・。やはり 不動産と言うのは ”出会い”なのだ・・・。

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